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第百九十話 潜入、城塞都市ティティス

ー/ー



 ナディアは、アレクの腕の中で目が覚める。

 周囲を見回すと、まだ薄暗く、夜明け前であることが判った。

 傍らで眠るアレクの寝顔を見詰めながら、昨夜、アレクと愛し合った余韻に浸る。

 ナディアは、アレクを起こさないように毛布を少しめくって、アレクの男性器を覗き見る。

 昨夜、ナディアの秘所を繰り返し貫き、何度も絶頂させたアレクの男性器は、大きく長く太くエラの張った立派なものであった。

 ナディアは、アレクの男性器を覗き見しながら、アレクのことを考える。

(ふふ。女の子みたいな顔して、こんなに立派なオチ●●ンしてる)

(大きいから、口で咥えるの、大変なんだから!)

 ナディアはめくった毛布を元に戻すと、再びアレクの寝顔を眺める。

(……女の子みたいな美形で、強くて、優しくて、お金持ちで、直向きな努力家)

(……頑張って、上級騎士(パラディン)にもなった)

 ナディアは、最初は『メイド付きお屋敷』を買って貰うためにアレクに近づいたが、肌を合わせて交わり、情を重ねるうちに自分がアレクに本気になっていることに気が付く。 

 ナディアは、眠っているアレクの顔に掛かる前髪を指先で除ける。

(ルイーゼがアレクに惚れ込むのも判る) 

(……女なら、傍にいて支えたくなる。……この腕に抱かれ、護られたくなる。……独り占めしたくなる)

(……いけない、いけない。エルフの私が、高望みし過ぎね)

 ナディアは、眠っているアレクの額にキスすると、アレクを起こさないようにベッドから出て、再び身体を拭いて身を清める。

 ナディアが身支度を整えてテントの外に出ると、東の空が明るくなり始めていた。



 朝陽が昇り、アレクたちとジカイラは、揚陸艇で事前にティティスとその周辺を上空から偵察する。

 アレクが上空の揚陸艇から望遠鏡で地上を見ると、ティティスの周辺は、前線から退却してくるカスパニア軍A軍集団でごった返しの状況であった。

 ティティス市内に入りきれないカスパニア軍や傭兵団、人狩りなどは城壁の外周で野営しており、その兵士たちを相手に商売する商人や娼婦たちで溢れ返っていた。

 ジカイラが言っていたとおり、城壁で囲まれたティティスに地上から潜入することは、困難であることは明らかであった。

 アレクは、望遠鏡でティティスの周囲を見てジカイラに報告する。

「以前、中佐がおっしゃっていたとおりです。ティティスの城壁周辺は退却してきたカスパニア軍で溢れ返っており、地上からの潜入は、かなり厳しいと思います」

 ジカイラは、アレクからの予想していたとおりの報告に納得したように答える。

「まぁ、戦場の都市や酒保なんてそんなものさ……日没後に海からの潜入したほうが良いだろう」

 アレクたちユニコーン小隊によるティティス潜入は、日没後に海上から行われることになった。



--夜。

 アレクたちは、潜入する準備を終えると揚陸艇でティティスの沖合の上空へ出る。

 揚陸艇は、海上に着水して跳ね橋(コーヴァス)を降ろす。

 穏やかな夜の海は凪いでおり、夜空に浮かぶ三日月の光を反射して幻想的に輝いていた。

 ジカイラは、揚陸艇の格納庫でアレクたちに声を掛ける。

「気をつけてな!」

「はい!」

 アレクは、小隊の仲間たちに号令を掛ける。

「みんな、行くぞ!」

 アレクの掛け声で、アレクたちは荷物や装備を積み込んだ小舟を跳ね橋(コーヴァス)から海上へと押し出すと女の子たちから順に、次々と飛び乗る。

 小舟には、先頭からルイーゼ、ナタリー、エルザ、ナディア、ドミトリー、トゥルム、アル、最後にアレクの順で飛び乗った。

 ドミトリー、トゥルム、アル、アレクの四人が櫂で漕ぎ、夜の港へ向けて小舟を漕ぎ進める。



 アレクたちは、夜のティティス港内に小舟を漕ぎ進めて行く。

 夜の港は、見張りの姿はおろか、人の気配さえ無く、小波(さざなみ)の音だけが響いていた。

 港内には漁船がもやいで係留されて並び、船揚場には小舟が並んでいた。

 アレクたちの小舟からは、埠頭に係留されているカスパニア軍艦の窓から漏れる明かりと、護岸で煌々と焚かれている篝火の列が見える。

 アレクたちは、遠巻きにカスパニア軍艦を眺めながら、漁業区画を目指して小舟を進める。

 アルは感心したように口を開く。

「……デカい船だな」

 ドミトリーはしたり顔で答える。

「カスパニアのキャラックだ。外洋を航行できるだけあって、それなりに物資も運べるだろう」

 アレクは傍らのアルに尋ねる。

「カスパニアは、この船で巨大(グレート・)(オーシャン)に行って貿易しているのか?」

 アルは唾棄するように答える。

「ああ。……もっとも、カスパニアの主な貿易なんて、奴隷と麻薬だけどな」

 ナタリーは顔を曇らせて呟く。

「奴隷と麻薬……」

 ルイーゼは解説するように告げる。

「カスパニアは、ゴズフレズで捕まえた人々を奴隷として世界各地で売って、そのお金で麻薬を仕入れて売っているのね」

 ドミトリーも呆れたように呟く。

「まるでマフィアの親玉のようだ」

 トゥルムも苦々しく呟く。

「国という規模で、ロクなことをしていないな」

 アルは同意する。

「まったくだ。……って、そろそろ漁業区画の船揚場だぞ」

 アレクは、仲間たちに指示を出す。

「よし! 小舟を船揚げ場に上げよう」

「了解!」

 アレクたちは小舟を船揚げ場に着けると、海に入り、膝まで浸かりながら小舟を船着き場に上げる。



 ルイーゼとナディアは船揚げ場の周囲を見回り、警戒する。

 ルイーゼは口を開く。

「周囲に人の気配は無いわ」

 アレクは、漁港周辺の建物を見回すと、船揚げ場の一角にある倉庫を指差す。

「まず、あの倉庫を調べよう」

 エルザは疑問を口にする。

「倉庫なんて、調べてどうするの?」

 アレクは答える。

「この街で探索を始める前に、まず隠れ家が必要だろ?」

「な~るほど。私たちの『秘密基地』ってことね!」

「そういうことだ」

 アレクの答えにエルザは納得したようであった。



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次のエピソードへ進む 第百九十一話 探索開始


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 ナディアは、アレクの腕の中で目が覚める。
 周囲を見回すと、まだ薄暗く、夜明け前であることが判った。
 傍らで眠るアレクの寝顔を見詰めながら、昨夜、アレクと愛し合った余韻に浸る。
 ナディアは、アレクを起こさないように毛布を少しめくって、アレクの男性器を覗き見る。
 昨夜、ナディアの秘所を繰り返し貫き、何度も絶頂させたアレクの男性器は、大きく長く太くエラの張った立派なものであった。
 ナディアは、アレクの男性器を覗き見しながら、アレクのことを考える。
(ふふ。女の子みたいな顔して、こんなに立派なオチ●●ンしてる)
(大きいから、口で咥えるの、大変なんだから!)
 ナディアはめくった毛布を元に戻すと、再びアレクの寝顔を眺める。
(……女の子みたいな美形で、強くて、優しくて、お金持ちで、直向きな努力家)
(……頑張って、|上級騎士《パラディン》にもなった)
 ナディアは、最初は『メイド付きお屋敷』を買って貰うためにアレクに近づいたが、肌を合わせて交わり、情を重ねるうちに自分がアレクに本気になっていることに気が付く。 
 ナディアは、眠っているアレクの顔に掛かる前髪を指先で除ける。
(ルイーゼがアレクに惚れ込むのも判る) 
(……女なら、傍にいて支えたくなる。……この腕に抱かれ、護られたくなる。……独り占めしたくなる)
(……いけない、いけない。エルフの私が、高望みし過ぎね)
 ナディアは、眠っているアレクの額にキスすると、アレクを起こさないようにベッドから出て、再び身体を拭いて身を清める。
 ナディアが身支度を整えてテントの外に出ると、東の空が明るくなり始めていた。
 朝陽が昇り、アレクたちとジカイラは、揚陸艇で事前にティティスとその周辺を上空から偵察する。
 アレクが上空の揚陸艇から望遠鏡で地上を見ると、ティティスの周辺は、前線から退却してくるカスパニア軍A軍集団でごった返しの状況であった。
 ティティス市内に入りきれないカスパニア軍や傭兵団、人狩りなどは城壁の外周で野営しており、その兵士たちを相手に商売する商人や娼婦たちで溢れ返っていた。
 ジカイラが言っていたとおり、城壁で囲まれたティティスに地上から潜入することは、困難であることは明らかであった。
 アレクは、望遠鏡でティティスの周囲を見てジカイラに報告する。
「以前、中佐がおっしゃっていたとおりです。ティティスの城壁周辺は退却してきたカスパニア軍で溢れ返っており、地上からの潜入は、かなり厳しいと思います」
 ジカイラは、アレクからの予想していたとおりの報告に納得したように答える。
「まぁ、戦場の都市や酒保なんてそんなものさ……日没後に海からの潜入したほうが良いだろう」
 アレクたちユニコーン小隊によるティティス潜入は、日没後に海上から行われることになった。
--夜。
 アレクたちは、潜入する準備を終えると揚陸艇でティティスの沖合の上空へ出る。
 揚陸艇は、海上に着水して|跳ね橋《コーヴァス》を降ろす。
 穏やかな夜の海は凪いでおり、夜空に浮かぶ三日月の光を反射して幻想的に輝いていた。
 ジカイラは、揚陸艇の格納庫でアレクたちに声を掛ける。
「気をつけてな!」
「はい!」
 アレクは、小隊の仲間たちに号令を掛ける。
「みんな、行くぞ!」
 アレクの掛け声で、アレクたちは荷物や装備を積み込んだ小舟を|跳ね橋《コーヴァス》から海上へと押し出すと女の子たちから順に、次々と飛び乗る。
 小舟には、先頭からルイーゼ、ナタリー、エルザ、ナディア、ドミトリー、トゥルム、アル、最後にアレクの順で飛び乗った。
 ドミトリー、トゥルム、アル、アレクの四人が櫂で漕ぎ、夜の港へ向けて小舟を漕ぎ進める。
 アレクたちは、夜のティティス港内に小舟を漕ぎ進めて行く。
 夜の港は、見張りの姿はおろか、人の気配さえ無く、|小波《さざなみ》の音だけが響いていた。
 港内には漁船がもやいで係留されて並び、船揚場には小舟が並んでいた。
 アレクたちの小舟からは、埠頭に係留されているカスパニア軍艦の窓から漏れる明かりと、護岸で煌々と焚かれている篝火の列が見える。
 アレクたちは、遠巻きにカスパニア軍艦を眺めながら、漁業区画を目指して小舟を進める。
 アルは感心したように口を開く。
「……デカい船だな」
 ドミトリーはしたり顔で答える。
「カスパニアのキャラックだ。外洋を航行できるだけあって、それなりに物資も運べるだろう」
 アレクは傍らのアルに尋ねる。
「カスパニアは、この船で|巨大《グレート・》|洋《オーシャン》に行って貿易しているのか?」
 アルは唾棄するように答える。
「ああ。……もっとも、カスパニアの主な貿易なんて、奴隷と麻薬だけどな」
 ナタリーは顔を曇らせて呟く。
「奴隷と麻薬……」
 ルイーゼは解説するように告げる。
「カスパニアは、ゴズフレズで捕まえた人々を奴隷として世界各地で売って、そのお金で麻薬を仕入れて売っているのね」
 ドミトリーも呆れたように呟く。
「まるでマフィアの親玉のようだ」
 トゥルムも苦々しく呟く。
「国という規模で、ロクなことをしていないな」
 アルは同意する。
「まったくだ。……って、そろそろ漁業区画の船揚場だぞ」
 アレクは、仲間たちに指示を出す。
「よし! 小舟を船揚げ場に上げよう」
「了解!」
 アレクたちは小舟を船揚げ場に着けると、海に入り、膝まで浸かりながら小舟を船着き場に上げる。
 ルイーゼとナディアは船揚げ場の周囲を見回り、警戒する。
 ルイーゼは口を開く。
「周囲に人の気配は無いわ」
 アレクは、漁港周辺の建物を見回すと、船揚げ場の一角にある倉庫を指差す。
「まず、あの倉庫を調べよう」
 エルザは疑問を口にする。
「倉庫なんて、調べてどうするの?」
 アレクは答える。
「この街で探索を始める前に、まず隠れ家が必要だろ?」
「な~るほど。私たちの『秘密基地』ってことね!」
「そういうことだ」
 アレクの答えにエルザは納得したようであった。