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第百十三話 極左テロリスト アクエリアス・ナト

ー/ー



 ジカイラとヒナは、初代キャスパー・ヨーイチ元男爵の落ちぶれ変わり果てた姿を見て驚く。

 アレクがジカイラに尋ねる。

「中佐の知り合いですか? ……キャスパーって?」

 ジカイラが説明する。

「鼻血ブーは、相変わらずだな。……こいつは先代のキャスパー・ヨーイチ元男爵。先の革命戦役で革命政府に加担した咎で廃嫡されたって話は聞いていたがな。革命政府に荷担した『帝国貴族のなれの果て』ってやつさ。……こいつの甥がキャスパー・ヨーイチ三世。……お前たちと同学年の貴族組にいたな」

 ジカイラの言葉にユニコーン小隊の仲間たちは驚く。



 ジカイラがキャスパーを仰向けにひっくり返したことで、キャスパーの男性器も顕になっていた。

 エルザは木の枝を拾ってくると、ナディアと一緒にキャスパーの男性器の検分を始める。

 ルイーゼとナタリーは、二人の検分を見守っていた。

 エルザは、キャスパーの男性器を木の枝で突っ突きながら呟く。

「……随分、小っちゃいオチ●●ンね。赤ちゃんのみたい」

 エルザの言葉に、人だかりの周囲の女の子たちは、クスクスと笑い出す。

 ナディアが同意する。

「……これじゃ、あそこに挿入()れても、判らないんじゃない?」

 エルザは、キャスパーの男性器の先を木の枝で持ち上げながら呟く。

「……見て、ナディア。小っちゃいオチ●●ンなのに、皮が被っていて、先にこんなに皮が余ってる。……これで女の子とデキるのかしら?」

 ナディアは苦笑いする。

「どうかしら……?」

 やがて、騒ぎを聞きつけた街の衛兵達がやって来ると、キャスパーの左右両脇を抱え、引きずって連行して行った。

 アルは苦笑いしながら呟く。

「……衛兵たちも連行するなら、パンツくらい履かせろよ。あれじゃ、フリ●ンで街中を引き回しているのと変わらないだろうに」



--留置所。

 衛兵によって逮捕されたキャスパーは、留置所に収監される。

 キャスパーが収監された留置所の部屋には、キャスパーの他にもう一人、壁にもたれ掛かって床に座っている男が居た。

 下半身丸出しのまま収監され、床に転がっているキャスパーを見て、男は口を開く。

「フン……新入りか」

 男は、中肉中背で、真ん中から分けた髪は肩まで延び、黒縁メガネにダンゴ鼻、『自分以外は馬鹿だ』と完全に世の中を舐めて見下している、ひねくれた性格と極左思想が顔ににじみ出ていた。



 キャスパーは目覚めた。

 キャスパーは、周囲を見回して、気を失う前と景色が変わっている事に驚き、同じ部屋にいる男に尋ねる。

「おい、貴様! ここはどこだ!? なぜ、私はここにいる?」

 男は、ふてぶてしく答える。

「知るか。……チン●丸出しで捕まったんじゃね?」

 男の言葉を聞いてキャスパーは自分の身を振り返り、ずり下げられていたズボンとパンツを履き直すと、男に再び尋ねる。

「『捕まった』だと!? 帝国貴族である、この私が? ……すると、ここは留置所か」

 男は答える。

「御名答。ここは留置所。……お前、『帝国貴族』って言ってたが、とても、そんな風には見えんな」

 男の言葉にキャスパーが名乗り反論する。

「我が名は、キャスパー・ヨーイチ男爵! 栄えある帝国貴族にして従騎士(スクワイア)である!」

 男がキャスパーに尋ねる。

「その『栄えある帝国貴族にして従騎士(スクワイア)』のお前が、なんで、浮浪者みたいな恰好してフリ●ンで、この留置所にいるんだ?」

 男の言葉で、キャスパーの脳裏に革命戦役から現在に至るまでの数々の屈辱的な出来事が走馬灯のように蘇る。 

「……十七年前、私は『あいつ』と一対一で戦って敗れたのだ。……そして、全てを失ったのだ。地位も、名誉も、恋人も、全てを。……くっ。……あいつさえ、あいつさえ、あいつさえ、いなければ!」

 男は、留置所での退屈しのぎに聞いていたキャスパーの話に、少し興味を持った。

「……お前の言う『あいつ』って、誰なんだ?」

 キャスパーは、怨念を顔に浮かべて大声で男に答える。

「皇帝ラインハルトだ!」

 男は、キャスパーの答えを聞いて驚くが、直ぐに歪んだ笑みを浮かべてキャスパーに尋ねる。

「お前、皇帝に恨みがあるようだな。……オレ達の仲間になって、皇帝に復讐しないか?」

 キャスパーが尋ねる。

「……貴様、何者だ?」

 男が名乗る。

「オレは、アクエリアス・ナト。……『トラキア解放戦線』って組織のリーダーだ。皇太子の結婚式を爆破してやろうと計画していたが、仲間がドジを踏んで飲み屋で騒動を起こし、巻き添えでオレまで逮捕されて収監されたってとこだ。……当局に素性はバレていないがな」

 キャスパーが呟く。

「『トラキア解放戦線』だと? 反政府極左テロ組織の?」

 アクエリアスは答える。

「……そうだ」

 キャスパーは賛同する。

「……良いだろう。皇帝に復讐できるなら、願ったり、叶ったりだ」

 アクエリアスは口を開く。

「良し。……次は『どうやって、ここから出るか』だ」

 キャスパーは、自信満々で答える。

「任せろ!」

 そう言うと、キャスパーは、床に四つん這いになり、石積みの壁の膝ほどの高さの部分を探すように調べ始める。

 アクエリアスが訝しんで尋ねる。

「……何してんだ?」

 しばしの間、キャスパーは壁を探っていたが、探していたものを見つけたようであった。

 キャスパーが口を開く。

「これだ!」

 キャスパーが石積みの壁の石を手で押すと、石は壁の中に大きくくぼみ、壁に扉が現れる。

 アクエリアスが驚く。

「……隠し扉か!」

 キャスパーは、現れた隠し扉を開けると、驚いているアクエリアスの方を振り向いて口を開く。

「……この留置所は、我がヨーイチ男爵家が造ったのだ。……行くぞ! アクエリアス!」

 アクエリアスは、立ち上がるとキャスパーの後をついて扉の中に入る。

「フフフ。良いぞ……。オレ達と一緒に皇帝に復讐しに行かないとな!」

 

 こうして、初代キャスパー・ヨーイチ元男爵と、反政府極左テロ組織『トラキア解放戦線』のリーダー、アクエリアス・ナトは、留置所から脱獄した。




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 ジカイラとヒナは、初代キャスパー・ヨーイチ元男爵の落ちぶれ変わり果てた姿を見て驚く。
 アレクがジカイラに尋ねる。
「中佐の知り合いですか? ……キャスパーって?」
 ジカイラが説明する。
「鼻血ブーは、相変わらずだな。……こいつは先代のキャスパー・ヨーイチ元男爵。先の革命戦役で革命政府に加担した咎で廃嫡されたって話は聞いていたがな。革命政府に荷担した『帝国貴族のなれの果て』ってやつさ。……こいつの甥がキャスパー・ヨーイチ三世。……お前たちと同学年の貴族組にいたな」
 ジカイラの言葉にユニコーン小隊の仲間たちは驚く。
 ジカイラがキャスパーを仰向けにひっくり返したことで、キャスパーの男性器も顕になっていた。
 エルザは木の枝を拾ってくると、ナディアと一緒にキャスパーの男性器の検分を始める。
 ルイーゼとナタリーは、二人の検分を見守っていた。
 エルザは、キャスパーの男性器を木の枝で突っ突きながら呟く。
「……随分、小っちゃいオチ●●ンね。赤ちゃんのみたい」
 エルザの言葉に、人だかりの周囲の女の子たちは、クスクスと笑い出す。
 ナディアが同意する。
「……これじゃ、あそこに|挿入《い》れても、判らないんじゃない?」
 エルザは、キャスパーの男性器の先を木の枝で持ち上げながら呟く。
「……見て、ナディア。小っちゃいオチ●●ンなのに、皮が被っていて、先にこんなに皮が余ってる。……これで女の子とデキるのかしら?」
 ナディアは苦笑いする。
「どうかしら……?」
 やがて、騒ぎを聞きつけた街の衛兵達がやって来ると、キャスパーの左右両脇を抱え、引きずって連行して行った。
 アルは苦笑いしながら呟く。
「……衛兵たちも連行するなら、パンツくらい履かせろよ。あれじゃ、フリ●ンで街中を引き回しているのと変わらないだろうに」
--留置所。
 衛兵によって逮捕されたキャスパーは、留置所に収監される。
 キャスパーが収監された留置所の部屋には、キャスパーの他にもう一人、壁にもたれ掛かって床に座っている男が居た。
 下半身丸出しのまま収監され、床に転がっているキャスパーを見て、男は口を開く。
「フン……新入りか」
 男は、中肉中背で、真ん中から分けた髪は肩まで延び、黒縁メガネにダンゴ鼻、『自分以外は馬鹿だ』と完全に世の中を舐めて見下している、ひねくれた性格と極左思想が顔ににじみ出ていた。
 キャスパーは目覚めた。
 キャスパーは、周囲を見回して、気を失う前と景色が変わっている事に驚き、同じ部屋にいる男に尋ねる。
「おい、貴様! ここはどこだ!? なぜ、私はここにいる?」
 男は、ふてぶてしく答える。
「知るか。……チン●丸出しで捕まったんじゃね?」
 男の言葉を聞いてキャスパーは自分の身を振り返り、ずり下げられていたズボンとパンツを履き直すと、男に再び尋ねる。
「『捕まった』だと!? 帝国貴族である、この私が? ……すると、ここは留置所か」
 男は答える。
「御名答。ここは留置所。……お前、『帝国貴族』って言ってたが、とても、そんな風には見えんな」
 男の言葉にキャスパーが名乗り反論する。
「我が名は、キャスパー・ヨーイチ男爵! 栄えある帝国貴族にして|従騎士《スクワイア》である!」
 男がキャスパーに尋ねる。
「その『栄えある帝国貴族にして|従騎士《スクワイア》』のお前が、なんで、浮浪者みたいな恰好してフリ●ンで、この留置所にいるんだ?」
 男の言葉で、キャスパーの脳裏に革命戦役から現在に至るまでの数々の屈辱的な出来事が走馬灯のように蘇る。 
「……十七年前、私は『あいつ』と一対一で戦って敗れたのだ。……そして、全てを失ったのだ。地位も、名誉も、恋人も、全てを。……くっ。……あいつさえ、あいつさえ、あいつさえ、いなければ!」
 男は、留置所での退屈しのぎに聞いていたキャスパーの話に、少し興味を持った。
「……お前の言う『あいつ』って、誰なんだ?」
 キャスパーは、怨念を顔に浮かべて大声で男に答える。
「皇帝ラインハルトだ!」
 男は、キャスパーの答えを聞いて驚くが、直ぐに歪んだ笑みを浮かべてキャスパーに尋ねる。
「お前、皇帝に恨みがあるようだな。……オレ達の仲間になって、皇帝に復讐しないか?」
 キャスパーが尋ねる。
「……貴様、何者だ?」
 男が名乗る。
「オレは、アクエリアス・ナト。……『トラキア解放戦線』って組織のリーダーだ。皇太子の結婚式を爆破してやろうと計画していたが、仲間がドジを踏んで飲み屋で騒動を起こし、巻き添えでオレまで逮捕されて収監されたってとこだ。……当局に素性はバレていないがな」
 キャスパーが呟く。
「『トラキア解放戦線』だと? 反政府極左テロ組織の?」
 アクエリアスは答える。
「……そうだ」
 キャスパーは賛同する。
「……良いだろう。皇帝に復讐できるなら、願ったり、叶ったりだ」
 アクエリアスは口を開く。
「良し。……次は『どうやって、ここから出るか』だ」
 キャスパーは、自信満々で答える。
「任せろ!」
 そう言うと、キャスパーは、床に四つん這いになり、石積みの壁の膝ほどの高さの部分を探すように調べ始める。
 アクエリアスが訝しんで尋ねる。
「……何してんだ?」
 しばしの間、キャスパーは壁を探っていたが、探していたものを見つけたようであった。
 キャスパーが口を開く。
「これだ!」
 キャスパーが石積みの壁の石を手で押すと、石は壁の中に大きくくぼみ、壁に扉が現れる。
 アクエリアスが驚く。
「……隠し扉か!」
 キャスパーは、現れた隠し扉を開けると、驚いているアクエリアスの方を振り向いて口を開く。
「……この留置所は、我がヨーイチ男爵家が造ったのだ。……行くぞ! アクエリアス!」
 アクエリアスは、立ち上がるとキャスパーの後をついて扉の中に入る。
「フフフ。良いぞ……。オレ達と一緒に皇帝に復讐しに行かないとな!」
 こうして、初代キャスパー・ヨーイチ元男爵と、反政府極左テロ組織『トラキア解放戦線』のリーダー、アクエリアス・ナトは、留置所から脱獄した。