第百九十五話 ティティス探索(四)
ー/ー ティティスは、ゴズフレズ王国の西北部に位置し、街の西側にティティス港を持ち、他の三方を城壁で囲う城塞都市であった。
街の東北と東南の方角には、城壁を繋ぐ円筒形の高い塔があり、周囲を警戒できるようになっていた。
アルとナタリーは、街の城壁と塔に向かって急いでいた。
アルは呟く。
「マズい。もう陽が高くなってきた。急がないと」
ナタリーは涙目で謝る。
「……アルのオチ●●ンおっきくて……全部口に入らなくて、満足させるまで時間掛かっちゃって……ごめんなさい」
涙目で謝るナタリーに、アルは慌ててフォローする。
「ナタリーのせいじゃないよ! カスパニア軍の警ら隊と鉢合わせしたのが、想定外だったのさ!」
「アル、優しいのね。ありがとう」
アルは、ナタリーが笑顔になったことで安心する。
二人の前に城壁の入り口が見えてくる。
アルは、入り口周辺を見回して口を開く。
「入り口だ! 見張りは……二人か!」
アルの言葉にナタリーは答える。
「任せて!」
ナタリーは、見張りの二人に向けて手をかざし、魔法を唱える。
「睡眠雲!」
ナタリーがかざしている手、その肘から先の部分から湧き出た魔法因子が、かざした手のひらの先に魔法陣を描くと、見張りの二人の頭部の周囲に魔法素粒子による睡眠雲が形成され、二人の頭部を包み込む。
ナタリーの魔法に掛かった二人の見張りは、その場で眠りこける。
「良いぞ! ナタリー! 行こう!」
「ええ!」
アルとナタリーは、城壁の入り口から中に入り、階段を登っていく。
二人は、階段を登って城壁の上に出ると、城壁の上を見回す。
城壁の上には街の外に向けて一定の間隔で大砲が並べられており、所々に弾薬庫のような小屋があった。
「静かだな……」
「そうね」
カスパニア軍が戦闘態勢ではないため、城壁の上にカスパニア兵の姿は無かった。
アルは周囲を警戒しながら、城壁の上に設置されている大砲の数を確認する。
(……カスパニア兵の姿は無い。城壁に設置されている大砲の数は、十六門か)
アルは口を開く。
「ナタリー、城壁の大砲の数は確認した。次は塔へ行こう!」
「うん!」
二人は城壁の上を南側へ進み、街の南東に立つ塔へ向かう。
二人は、塔と城壁の接続部までたどり着く。
塔と城壁が繋がる接続部分には塔の中に入る入口があり、二人が入口から塔の中に入ると、塔の中心部分は吹き抜けになっていて、恐らく地上と塔の頂上の見張り台に繋がっているであろう螺旋階段があった。
二人は塔の入り口から中に入ると、頂上の見張り台に向かって螺旋階段を登っていく。
アルは、荒い息で呟く。
「今日は、階段を登ってばかりだな……いい加減、疲れてきた」
ナタリーも額に汗をにじませながら答える。
「私も……」
螺旋階段の中腹に差し掛かったところで、二人のカスパニア兵が見張り台から階段を降りてくる。
ローブを羽織りフードを被るアルとナタリーを見たカスパニア兵が口を開く。
「なんだ!? お前ら?」
「曲者か!?」
「チッ!」
カスパニア兵の言葉を聞いたアルは、短く舌打ちすると、カスパニア兵に向かって階段を駆け上がり、素早く腰から海賊剣を抜く。
驚いたカスパニア兵が自分の腰に下げる剣の柄に手を掛けようとするよりも早く、アルの海賊剣がカスパニア兵の腹を貫く。
「ぐぁああああ!」
アルに刺されたカスパニア兵は、腹部を押さえてうめきながら階段から吹き抜けを落ちて行った。
「うわわわ!」
もう一人のカスパニア兵は、自分が降りてきた螺旋階段をまた登って逃げ出す。
ナタリーは、逃げ出したカスパニア兵に向けて手をかざし、魔法を唱える。
「火炎球!」
ナタリーの攻撃魔法が当たったカスパニア兵は炎に包まれ、叫びながら吹き抜けを落ちていく。
二人の耳に塔の吹き抜けの下の階から叫び声や怒声が聞こえてくる。
アルは口を開く。
「オレたちの潜入がバレたな! 急ごう!」
「うん!」
二人は、急ぎ足で螺旋階段を登っていく。
二人は、塔の頂上にある見張り台に出る。
見張り台にいたカスパニア兵たちは、二人が突然現れたことに驚く。
「曲者!?」
「敵か!?」
武器を構えて迫って来るカスパニア兵たちに対し、ナタリーは反射的に両手をかざして魔法を唱える。
「火炎爆裂!」
ナタリーの身体からオーラのように湧き出た魔法因子は掌の先に三つの魔法陣を描き、魔法陣の先に魔法素粒子によって爆炎が作り出され、塔の頂上にある見張り台を爆炎が包む。
大きな爆発音と共に見張り台が大炎上する。
カスパニア兵たちも爆炎に包まれ、火達磨になって塔から飛び降りたり、炎に包まれながら床を転げまわった挙句、見張り台から落ちて行った。
アルは、爆炎に包まれて燃え上がる見張り台を眺めて呟く。
「塔には、固定弓が二基か……しかし、派手にやっちまったな」
ナタリーは、しゅんと落ち込んでアルに謝る。
「……ごめんなさい」
アルは苦笑いしながらナタリーを励ます。
「ま、やっちまったものは、しょうがないだろ?」
螺旋階段から叫び声が聞こえてくる。
「賊だ! こっちだ!」
「急げ!」
アルが螺旋階段の吹き抜けを見下ろして覗くと、地上の入口からカスパニア兵の集団が螺旋階段を登って来ていた。
「マズいな。カスパニア軍の部隊た。奴らが昇って来るぞ」
アルの呟きを聞いたナタリーは、アルの手を引く。
「アル! こっち!」
ナタリーはアルの手を引き、見張り台の端に連れて行く。
「ナタリー!?」
見張り台の端に来たアルの足の先には何も無く、眼下にはティティスの街並みが広がっていた。
ナタリーがアルの手を引きながら見張り台から飛び降りると、アルも引っ張られて見張り台から落ちる。
「うわっ!?」
ナタリーは、両手を広げて魔法を唱える。
「飛行!」
塔の頂上から飛び降りた二人の身体は宙に浮き、ゆっくりと降下していく。
中堅職に転職したナタリーは、飛行も使えるようになっていた。
ゆっくりと降下していることで、ナタリーの着ているローブの裾が空気で捲り上がる。
「きゃあっ!」
アルが悲鳴に驚いてナタリーの方を見ると、白地に可愛らしいリボンの付いたナタリーのパンツが目に入る。
ナタリーは、慌てて太腿を閉じて両腕でローブの裾を膝の後ろに抑え込むと、両足を抱えるような姿勢を取る。
やがて、ゆっくりと降下する二人の距離が近づいていき、アルはナタリーを両腕で抱き抱える。
ナタリーは頬を赤らめ、自分を抱き抱えるアルを上目遣いに見ながら、アルに尋ねる。
「アル……見たでしょ?」
アルは、苦笑いしながら答える。
「ちょっとだけ……ね」
ナタリーは恥じらいながら続ける。
「ううん、良いの。アルなら。……見たくなったら教えてね。パンツも脱ぐから……」
アルも照れながら答える。
「それは、ナタリーと結婚した初夜に頼むよ」
ナタリーは頷く。
「……うん」
二人は、市街の路地裏に静かに着陸する。
アルが路地裏から塔の頂上を見上げると、ナタリーの魔法で燃え上がった見張り台は、今も黒煙を上げて炎上していた。
二人が路地裏から表通りを伺うと、表通りをカスパニア軍の部隊が隊列を組んで小走りで塔に向かって行き、物々しい雰囲気で包まれていた。
アルがナタリーに告げる。
「敵に見つからないように、隠れ家に戻ろう」
「うん」
アルとナタリーの二人は、隠れ家の倉庫に向かって路地裏を足早に歩いて行った。
街の東北と東南の方角には、城壁を繋ぐ円筒形の高い塔があり、周囲を警戒できるようになっていた。
アルとナタリーは、街の城壁と塔に向かって急いでいた。
アルは呟く。
「マズい。もう陽が高くなってきた。急がないと」
ナタリーは涙目で謝る。
「……アルのオチ●●ンおっきくて……全部口に入らなくて、満足させるまで時間掛かっちゃって……ごめんなさい」
涙目で謝るナタリーに、アルは慌ててフォローする。
「ナタリーのせいじゃないよ! カスパニア軍の警ら隊と鉢合わせしたのが、想定外だったのさ!」
「アル、優しいのね。ありがとう」
アルは、ナタリーが笑顔になったことで安心する。
二人の前に城壁の入り口が見えてくる。
アルは、入り口周辺を見回して口を開く。
「入り口だ! 見張りは……二人か!」
アルの言葉にナタリーは答える。
「任せて!」
ナタリーは、見張りの二人に向けて手をかざし、魔法を唱える。
「睡眠雲!」
ナタリーがかざしている手、その肘から先の部分から湧き出た魔法因子が、かざした手のひらの先に魔法陣を描くと、見張りの二人の頭部の周囲に魔法素粒子による睡眠雲が形成され、二人の頭部を包み込む。
ナタリーの魔法に掛かった二人の見張りは、その場で眠りこける。
「良いぞ! ナタリー! 行こう!」
「ええ!」
アルとナタリーは、城壁の入り口から中に入り、階段を登っていく。
二人は、階段を登って城壁の上に出ると、城壁の上を見回す。
城壁の上には街の外に向けて一定の間隔で大砲が並べられており、所々に弾薬庫のような小屋があった。
「静かだな……」
「そうね」
カスパニア軍が戦闘態勢ではないため、城壁の上にカスパニア兵の姿は無かった。
アルは周囲を警戒しながら、城壁の上に設置されている大砲の数を確認する。
(……カスパニア兵の姿は無い。城壁に設置されている大砲の数は、十六門か)
アルは口を開く。
「ナタリー、城壁の大砲の数は確認した。次は塔へ行こう!」
「うん!」
二人は城壁の上を南側へ進み、街の南東に立つ塔へ向かう。
二人は、塔と城壁の接続部までたどり着く。
塔と城壁が繋がる接続部分には塔の中に入る入口があり、二人が入口から塔の中に入ると、塔の中心部分は吹き抜けになっていて、恐らく地上と塔の頂上の見張り台に繋がっているであろう螺旋階段があった。
二人は塔の入り口から中に入ると、頂上の見張り台に向かって螺旋階段を登っていく。
アルは、荒い息で呟く。
「今日は、階段を登ってばかりだな……いい加減、疲れてきた」
ナタリーも額に汗をにじませながら答える。
「私も……」
螺旋階段の中腹に差し掛かったところで、二人のカスパニア兵が見張り台から階段を降りてくる。
ローブを羽織りフードを被るアルとナタリーを見たカスパニア兵が口を開く。
「なんだ!? お前ら?」
「曲者か!?」
「チッ!」
カスパニア兵の言葉を聞いたアルは、短く舌打ちすると、カスパニア兵に向かって階段を駆け上がり、素早く腰から海賊剣を抜く。
驚いたカスパニア兵が自分の腰に下げる剣の柄に手を掛けようとするよりも早く、アルの海賊剣がカスパニア兵の腹を貫く。
「ぐぁああああ!」
アルに刺されたカスパニア兵は、腹部を押さえてうめきながら階段から吹き抜けを落ちて行った。
「うわわわ!」
もう一人のカスパニア兵は、自分が降りてきた螺旋階段をまた登って逃げ出す。
ナタリーは、逃げ出したカスパニア兵に向けて手をかざし、魔法を唱える。
「火炎球!」
ナタリーの攻撃魔法が当たったカスパニア兵は炎に包まれ、叫びながら吹き抜けを落ちていく。
二人の耳に塔の吹き抜けの下の階から叫び声や怒声が聞こえてくる。
アルは口を開く。
「オレたちの潜入がバレたな! 急ごう!」
「うん!」
二人は、急ぎ足で螺旋階段を登っていく。
二人は、塔の頂上にある見張り台に出る。
見張り台にいたカスパニア兵たちは、二人が突然現れたことに驚く。
「曲者!?」
「敵か!?」
武器を構えて迫って来るカスパニア兵たちに対し、ナタリーは反射的に両手をかざして魔法を唱える。
「火炎爆裂!」
ナタリーの身体からオーラのように湧き出た魔法因子は掌の先に三つの魔法陣を描き、魔法陣の先に魔法素粒子によって爆炎が作り出され、塔の頂上にある見張り台を爆炎が包む。
大きな爆発音と共に見張り台が大炎上する。
カスパニア兵たちも爆炎に包まれ、火達磨になって塔から飛び降りたり、炎に包まれながら床を転げまわった挙句、見張り台から落ちて行った。
アルは、爆炎に包まれて燃え上がる見張り台を眺めて呟く。
「塔には、固定弓が二基か……しかし、派手にやっちまったな」
ナタリーは、しゅんと落ち込んでアルに謝る。
「……ごめんなさい」
アルは苦笑いしながらナタリーを励ます。
「ま、やっちまったものは、しょうがないだろ?」
螺旋階段から叫び声が聞こえてくる。
「賊だ! こっちだ!」
「急げ!」
アルが螺旋階段の吹き抜けを見下ろして覗くと、地上の入口からカスパニア兵の集団が螺旋階段を登って来ていた。
「マズいな。カスパニア軍の部隊た。奴らが昇って来るぞ」
アルの呟きを聞いたナタリーは、アルの手を引く。
「アル! こっち!」
ナタリーはアルの手を引き、見張り台の端に連れて行く。
「ナタリー!?」
見張り台の端に来たアルの足の先には何も無く、眼下にはティティスの街並みが広がっていた。
ナタリーがアルの手を引きながら見張り台から飛び降りると、アルも引っ張られて見張り台から落ちる。
「うわっ!?」
ナタリーは、両手を広げて魔法を唱える。
「飛行!」
塔の頂上から飛び降りた二人の身体は宙に浮き、ゆっくりと降下していく。
中堅職に転職したナタリーは、飛行も使えるようになっていた。
ゆっくりと降下していることで、ナタリーの着ているローブの裾が空気で捲り上がる。
「きゃあっ!」
アルが悲鳴に驚いてナタリーの方を見ると、白地に可愛らしいリボンの付いたナタリーのパンツが目に入る。
ナタリーは、慌てて太腿を閉じて両腕でローブの裾を膝の後ろに抑え込むと、両足を抱えるような姿勢を取る。
やがて、ゆっくりと降下する二人の距離が近づいていき、アルはナタリーを両腕で抱き抱える。
ナタリーは頬を赤らめ、自分を抱き抱えるアルを上目遣いに見ながら、アルに尋ねる。
「アル……見たでしょ?」
アルは、苦笑いしながら答える。
「ちょっとだけ……ね」
ナタリーは恥じらいながら続ける。
「ううん、良いの。アルなら。……見たくなったら教えてね。パンツも脱ぐから……」
アルも照れながら答える。
「それは、ナタリーと結婚した初夜に頼むよ」
ナタリーは頷く。
「……うん」
二人は、市街の路地裏に静かに着陸する。
アルが路地裏から塔の頂上を見上げると、ナタリーの魔法で燃え上がった見張り台は、今も黒煙を上げて炎上していた。
二人が路地裏から表通りを伺うと、表通りをカスパニア軍の部隊が隊列を組んで小走りで塔に向かって行き、物々しい雰囲気で包まれていた。
アルがナタリーに告げる。
「敵に見つからないように、隠れ家に戻ろう」
「うん」
アルとナタリーの二人は、隠れ家の倉庫に向かって路地裏を足早に歩いて行った。
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